開始……
の、はずなのですが……
ほくろん:……寝てるの?
GM:うん。寝てる。
このGMの堂々とした態度たるや。「展開ミスりました」感は
微塵も感じられません。
と、ここでネタばらし。
このダンジョン、実は「宝箱を開ける」がトリガーとなって盗賊が目を覚ますことになっていたのです。最初に突破した「コインを触るとスネークが襲ってくる」と同じパターンですね。
ところが僕たちは宝箱を見事にスルーしてしまったため、すっかり盗賊たちは目覚めるチャンスを失ったのでした。
GMにとっては「宝箱を開ける」という条件を満たしていないため、盗賊が寝ているのは当然……だから焦らず慌てず、マスタリングをしていたのだと思います。
いや、バサバサ藁を探っている時点で目を覚ますべきだろう……という突っ込みは、今回は無しで……
ほくろん:……と、とにかくどうしようか。
プレイヤー2:攻撃できるの?(わくわく)
GM:いいよ。攻撃するなら、ボスの盗賊が良いんじゃない?
GM、君はどっちの味方なんだ?
うーん、盗賊をロープで縛るってのも良いが……ここは戦闘をさせてあげたほうが良さそうかな?
と横を見ると、プレイヤー2(ファイター)がうずうずしている様子。
プレイ時間的にも早く進めたいし、ここは彼に任せましょう。
ほくろん:よし、ファイター頼む!
プレイヤー2:攻撃!(ころころ)
GM:うん、なかなかダメージを受けたよ。じゃあそれで盗賊が目を覚まして、弓ゴブリンとスネークを起こします。ここから戦闘始める(マップを取り出す)
ほくろん:(なるほど……)
と、ここでGMがさりげなく「不意打ち」の処理を行っていたことに気がつきます。
実は『冒険王道』初級には「不意打ち」というルールは記載されていません。しかし、
ルールに乗っていない状況……ここでは、圧倒的に片方が有利に始まった戦闘……
を処理するためにどうしたら良いか? そこでGMが考え付いたのが「一回攻撃させてあげよう!」だったのです。
現実的には2~3回ぐらい攻撃できそうなもんですが、ゲーム的には妥当な解決策を考えてくれたと思います。君、やっぱりなかなかやるじゃないか!
ここまではGMのファインプレーなところ。
対してGMがちょっとミスしちゃったところもあります。
それは……
弓……、魔術……、弓……?
あ。
前衛がいない…… ということで始まったクライマックスの戦闘は、
スネークが前衛を張るフシギな盤面。
とはいえ、後ろから狙撃部隊がガンガン攻撃してくるので、油断してると……
ほくろん:……残りHPは……その攻撃で……あ、1だ。
もちろんこちらもやられてばかりではいません。2ターン目でスネークが倒れてしまえば、あとは防御能力の薄い射撃キャラばかり。
何より、『冒険王道』では
弓術は同じマスには攻撃できません。つまり、スネークが倒れて接近された時点で弓ゴブも盗賊も……
ということで、指導員のキャラがひとり満身創痍になりつつも、無事に盗賊を観念させることに成功したのでした。
これで村にも平穏が訪れます。村人から感謝の言葉をもらい、新たな旅に出る一行……
……そういえば、結局このダンジョンはなんだったのかというと……
GM:これは「罠屋敷」で、クリアできるか盗賊が試していたのでした!
だから「挑戦者求む!」だったのか……
なぜ盗賊が罠屋敷をわざわざ建てたのか。その謎は、きっと壮大なキャンペーンにつながっていくでしょう。
このように、GM第一回は無事にセッションを終えたのでした。
……いや、確かに色々と突っ込みどころはありましたよ。
しかし、彼の堂々たるマスタリングのおかげで、そしてセッション終了後にこう言ってくれたおかげで、大成功だと思えます。
「GM楽しい!」
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子供GMなんてなかなか経験できることじゃないので羨ましいです!