こんばんわ、ほくろんです。
3回にわたって小学生GMによるセッションの様子をお届けしてきましたが、今回はそれを振り返って1記事にしてみたいと思います。
1.あの階段の先 さて、今回のGMさん。
彼のシナリオシートを見てみると……
(実際のプレイとはちょっと違うところもある?) 細かく設定が書き込まれていますねー。
特に緑色に囲ったところを注目してみてください。
そう、プレイ中触れられなかったオブジェクト……「
階段」です。
この階段の先には別マップがあるわけではなく、「二階」と書かれている部分にそのままつながっています(部屋の中に段差があるような感じでしょうか)。
そこから左に向けて線が引いてあって、そこに書いてあるのは
まさかり……
そう、これは
「どのようにしてまさかりが仕掛けられているか」を示す部分なのです。
「冒険者たちが不用意に玄関をあけると、糸が切れ、支えを失ったまさかりは冒険者たちの頭上めがけて……」
この動作設定の妥当性はさておき、「その罠がどう作動するかを考える」というのはなかなか子どもたちには難しいことです。もちろん、「全ての罠の動作を考えるべきだ!」というわけではありません。しかし、それを自然と考えていたことに、彼のセンスの良さを感じるのです。
2.うらぐちからどうぞ そして、それによって可能になること……それを体現するのが、「うらぐち」の存在です。
メカニズムが考えられてることで、プレイヤーはその罠に対して「
行動宣言によって」、つまり
判定を介さずに対抗することができます。今回で言えば、罠が発動する前に糸を切ってしまえば、まさかりは無人の空間に落ちるだけ、です。
しかし! 今回は玄関にこの罠が仕掛けられているため、通常は糸の存在に気付くことは困難です……
(正面から入る場合、屋内に張られた糸を見るころには、既に引っかかっているか判定で解除されているからです)。
そこで彼が用意したのが「
うらぐち」でした。今回のダンジョン、きっちり外周を調べてうらぐちから入るとちょうど階段の真下から侵入できます。この状態で階段を上がれば……あとは、プレイヤーの機転が利くかどうか、ですね。
3.会心の笑顔 ……と、このような話はGMとの事前・事後の会話から分かってきたことですが、実はプレイ中にもその片鱗は見えていました。
それは「コインの罠」をプレイヤーが発見したとき
。
(そういえば、コインの罠も「なぜコインを取るとスネークが落ちてくるのか」を考えてある罠ですね。) プレイヤーが「魔法」を使って罠を発見した瞬間、僕は見逃しませんでした。彼の顔が
嬉しそうになったことを…… これ、トンがった子がGMだったら無理やりにでも罠を発動させようとします。それは「
自分の罠が効果を発揮するのが楽しい」からです。対して彼は、自分の罠でプレイヤーを「
困らせる」ことではなく、「
楽しませる・活躍させる」ことに喜びを感じているように見えました。もしや、「罠が解除される喜び」という非常に高度な楽しみ方をしていたのではっ!?
……もちろん、「自分が考えた罠を話したい!」といった思いもあったのだと思います。しかし、彼が「楽しませる側の楽しみ」を感じてくれていたとすれば、わざわざ「罠の動作設定 = 解除されるきっかけ」を設定したのも自然なのかな……と思えます。
4.こういろいろと考えると…… 今回のダンジョンは、まさに「わなやしきをとっぱせよ!」なのです。
「大量に罠を仕掛ける」のではなく、「
きっちり解除される方法まで想定して罠が仕掛けられている」からこそ、「
さあ、これを解けるヤツはいるか!? →
挑戦者求む!」だったのだと思えます。
まあ、もちろん罠屋敷の主である「盗賊の頭」さんに言いたいことがあるのは確かです
(なぜ村の外れなんかに建てた……自分でノコひいて建てたのか……意外に根性あるなキミ……などなど)。言い換えれば、盗賊の頭の動機や背景に思いを馳せると、妥当とはいえない設定になっている箇所は多くあると思います。
しかし、そういったことはこれから直していけば良いことだと思います。今回の彼については、
「よくそこまで考えた!」
「サービスマン精神にあふれていた!」
という2点で、ほめてあげたいところです。
さて、これで今回のほくろん卓報告はおしまい。
次回は枯葉卓・ろく卓のエピソードを紹介できれば……と思います。
それでは!
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これは…脱帽ですね…
ダンジョンの罠の仕組みまで考えたことなんか過去に何回あったことが…
この子のピタゴラ頭脳はかなりの高レベルのようです!
是非、素晴らしいGMに育って欲しいものです。