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サマースクール#2-5 完結!

 水晶球を砕くと同時に、崩れ始めた塔。

シャアル:扉から逃げよう!(こまを動かす)
GM:あ、扉閉まってますよ。
シャアル:えーっ!!(笑)
ラッシュ:開かないのーっ?

 塔の起動キーであった水晶球が壊れた今、入ってきた扉はぴったりと閉じられて、ピクリともしません。
 「入ってきた扉」は、ね……

ディアノーグ:逃げ道はない!?
シャアル:調べる! 部屋の中を調べる!
GM:じゃあ全員、感覚の判定をしようか。

 さすがのシーフ、シャアルがもっとも高い達成値を出して、

GM:君は気づく。さっきまでゾンビだった……今はただの死体、その指が水晶球の台座の下を指差している。
ラッシュ:なにかあるのかな?
シャアル:台座って動かせる?
GM:(正解! しかしシーフばっかり活躍してもな……)うーん、動かせそうだけど、重いよ
ソフィー:体力のある人にやってもらおう!
ディアノーグ:俺俺!
ラッシュ:俺も高いよー。
ディアノーグ:あ、そうだ! 俺は左の肩が( ← まだ言う)

 ということで、ディアノーグは辞退(笑)
 ラッシュが体力で判定を行い、動かした台座の下には……

GM:階段が続いているよ。
ソフィー:良かった!
ディアノーグ:降りていってみよう!
GM:すると、その下には通路が続いている。通路も崩れかけているが、急げば逃げられるかもしれない。
ラッシュ:急ごう!
GM:……と、通路を走っていると……?(顔を見渡す)
一同:(見返す)
GM:……通路の脇に、小さな部屋がある。ガラクタとか、魔法の実験装置? とかがあったり、小さな宝石がつんであったりするね。
シャアル:お宝だ!?
ラッシュ:でも今取りに行くと危ないよ!
シャアル:そうだね、今回はあきらめようかな…?
ディアノーグ:いや、俺は取りに行く! 宝石を拾いたい!(笑)
GM:(おまえ、肩は良いのか……)じゃあディアノーグがひとり宝石を拾って、少し遅れたということにしよう。ではその先をさらに走っていくと……?(顔を見渡す)
一同:(見返す)
GM:通路の先で何かが動いているのがわかる。それは1匹ではなく、1、2、3……(と、こまを並べる)
ラッシュ:3体?
GM:(さらに並べる)
シャアル:4、5……
ディアノーグ:6?
GM:はい、皆さんの前にはヘビが6体、立ちふさがります。


    sss-15.jpg

GM:実は回りを見るともっとたくさんいるけど、皆さんの逃げ場をふさいでいるのがこの6体ね。
ディアノーグ:よっしゃ、攻撃だ!
GM:君は1ターン遅れなさい。宝石拾ってたんだから。
ディアノーグ:そうだーっ!(笑)

 ここで、ディアノーグを抜きにして戦闘開始。
 これが今回のラストバトルです。

 ところで、「スネーク」というモンスターはいわゆるザコ敵なんですが、今回はその数が多いというのが戦闘のポイントでした。
 しかし初めてみればプレイヤーのダイス目が良く……

GM:(1ターン目で2体落ちたか……)次のターンだな。
ディアノーグ:到着! 攻撃するぜー!
GM:(ああ、主力が登場してしまった……)

 さっそくディアノーグが右手で(本人談)ヘビをなぎ倒し、あっという間に決着がついてしまいました。

シャアル:倒せたねー。
ラッシュ:でも結構ダメージ食らっちゃった。
ディアノーグ:急いで逃げるぞー!

 合流した4人は通路を駆け抜け、やがて出口から外へと脱出することに成功します。

GM:外へ出ると、そこは近くの山の中腹。ちょうど、正面から見て塔の「向こう側」に見えた山だね。
シャアル:塔は?
GM:下の平原には、すっかり崩れた塔の残骸が見えますね。
ソフィー:魔法の装置は壊れたのね。
ラッシュ:大変なダンジョンだったね……


 無事にダンジョンから脱出することができたメンバー。
 ほとんど収穫はありませんでしたが(ディアノーグを除く)、危険な魔法装置を止め、囚われていたいくつかの命を開放することができました。
 冒険者として依頼は達せられた、ということです。


 これで今回の冒険はおしまい。
 振り返ってみれば、新しい要素に挑戦したセッションでした。

   sss-4_20100909125102.jpg   sss-5_20100831000457.jpg

 たった2話とはいえ、キャンペーン。普段のクラブでは毎回卓分けをしているため、同じメンバーで遊ぶと言うこと自体、子どもたちにとっては新鮮だったかもしれません。


   sss-6_20100831000458.jpg  sss-7.jpg

 罠の数々にリドル。以前からぜひ子どもたちにリドルを経験させたかったのですが、こちらの想像以上にいろんなアイディアを出してくれました。


 さらにはゾンビからの依頼、ダンジョン崩壊など凝ったシナリオでしたが、子どもたちは無事にエンディングにたどり着いてくれました。
 (もちろん、ゾンビを倒した場合の展開も用意しておりました。バッドエンドというわけではありませんが、ほろ苦い展開にはなったと思います。)

 ずいぶんながーい報告になってしまいましたが、次は続く第3回・子どもたちのGMの様子を簡単にお伝えしたいと思います(思い返せばもう1ヶ月の前のこと……)

 では!
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コメント

[C68]

お疲れ様でした!!
ぜひ子供達にもキャンペーンの楽しみをわかって欲しいですねー

特に、ほら、成長とかw(←データ好き)

3日目も楽しみにしてます!!
  • 2010-09-10 12:36
  • アゲハ
  • URL
  • 編集

[C69]

自キャラが成長する様は子どもも楽しいはず、と思ってみるww

ところでどのようなレベルアップのシステムなんでしょう?
  • 2010-09-10 19:41
  • 名無し
  • URL
  • 編集

[C70] Re: タイトルなし

アゲハさま

 コメント、ありがとうございます。

> ぜひ子供達にもキャンペーンの楽しみをわかって欲しいですねー

 同じメンバーで何度も……っていうのも、TRPGの醍醐味ですしね~
 普段のクラブ活動ではなかなか実現できませんが、こういうときに楽しさを知ってもらえると嬉しいですね。

> 特に、ほら、成長とかw(←データ好き)

 武器データとか眺めてるとわくわくしますよね(笑)
 今、子どもたちにそれを提供できるように、上位武器などばりばり作成中です。

> 3日目も楽しみにしてます!!
 
 実は3日目、僕が写真記録に徹していたため詳細なレポートが書けません……
 変わりに他のスタッフに書いてもらったものを、順次紹介できればと思っています。
 
 うーん、3日目報告が終わる前に2学期クラブ活動が始まってしまいそう……
  • 2010-09-12 00:12
  • ほくろん
  • URL
  • 編集

[C71] Re: タイトルなし

Re: タイトルなし

 コメント、ありがとうございます。

> 自キャラが成長する様は子どもも楽しいはず、と思ってみるww

 成長・強化に対する欲求はすさまじいものがありますよ(笑)
 彼らは基本的に「でかい数字」と「強い感じ」に反応します。大人よりも反応が素直ですね~。

> ところでどのようなレベルアップのシステムなんでしょう?

 実は現在運用中の『冒険王道・初級』ではレベルアップの概念がありません。
 ただし、冒険の回数を記録するようになっています。そしてこれが5回(+GM経験1回)たまると、「中級」ルールブックが配布され、そこからはレベルアップの概念と共に上位武器・上位モンスター・広範な世界観などが追加されます。

 まずは遊び方に慣れてもらい、次にレベルアップややりこみ要素を提示する……という戦略ですね。
 
 最初から強化システムがあると、TRPGの「味わい」を知る前に強化に走ってしまいそう、というのが理由①。
 理由②として、「5回」というのはちょうどクラブ1期分ぐらい……つまり、クラブ卒業後にも遊ぶ動機付けとして、レベルアップを用意していると言う面もあります。
  • 2010-09-12 00:24
  • ほくろん
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プロフィール

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Author:ほくろん
愛知県内にて青少年育成の指導者・アドバイザーをしつつ、TRPGやボードゲームの作成・普及啓発を行っております。

今となっては遠く離れ、それぞれに凝固している教育とあそびを、少しずつ暖めながら融和させていきます。

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登録名は『冒険王道』の著者名です。
(あくまで個人アカウントですので、ご承知置きください)