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牛久保小学校#1-2

 今回の“ダンジョン”となる家庭科室に入り込んだ子どもたち。

ほくろん:時刻は夜。もちろん中は暗く、物音ひとつしません。

 ここには5体の「チビお化け」と1体の「ボスお化け」が潜んでいます。

 「チビ」は部屋のあちこちでイタズラをしています。キャラクターが不用意に近づくと、何かを投げてきたり、噛み付かれたりするかもしれません。
 つまりです。
 
 たくさんのチビお化け見つけよう! と声をかけてあるので、子どもたちはあっちこっちと探し回りたい様子。

ほくろん:じゃあどこにお化けが隠れていると思う?
子ども1:机の下は?
子ども2:なべの中! なべの中!
子ども3:待て! 今あけた扉の影にいるに違いない!

 扉に罠……!

 確かに、罠の基本だね。

ほくろん:お、じゃあ扉の影を探すなら……じゃーん! ここでさいころを使います。
子ども :おおーっ!
ほくろん:さいころを2つ、振ってみてくれる? 足して「5」なら成功だ。
子ども3:(ころころ)9!
ほくろん:じゃあ、扉の影からお皿が飛んできたけど、それをキャッチ!
     お皿にお化けが取り付いていたみたいだ。
子ども3:よっしゃー!

 こんな様子で1匹目のお化けを発見。(ほんとはここにはいない予定だったけど、つい「扉に罠!」に反応してしまって……)
 ちなみに判定は2D6の出目のみ。まだキャラクターメイクもしていないため、能力値も修正も無いからです。

 このあと、家庭科室を調べまわってはぞくぞくとチビお化けを発見する子どもたち。
 彼らが探す場所といえば、例えば……

 ・ カーテンの裏にいない?
 ・ なべの中は?
 ・ 机の下は?
 ・ 蛇口の中は?

 などなど。
 思いつく限りの怪しい場所をチェックし、5体のチビお化けを発見します。

子ども1:のこりは1体?
ほくろん:そう。大きなボスお化けがどこかに隠れているはずだ。
子ども2:調べてないところは……
子ども4:あ! 先生の机!

 先生の机に近づいた、その瞬間!

ほくろん:バン! と大きな音がして、机の板(注:家庭科室の机に備え付けられている水道の蛇口を覆っているあの板)が跳ね上がる! そこから2~3mはあるかという大きな水の塊が飛び出してくる。ボスお化けだ!


○ 戦闘
 ボスお化けを相手に戦闘が始まりました。
 戦闘のルールは超簡単。

ほくろん:時計回りにやろう。1君、君ならお化けを退治するのにどうする?
子ども1:机を投げる!
ほくろん:(ス、ストレートだな……)ダメージを与えるのか。なるほどね。
子ども6:でも家庭科室の机って固定されてるよね!
子ども1:しまった! じゃあイス投げる!

 物を投げるのは変わらないんだな……。 

ほくろん:じゃあさいころ2つを振ってみて、7かそれより大きければお化けに攻撃成功。
子ども3:低かったら?
ほくろん:失敗……どころか、反撃されてしまいます。2点のダメージ。みんなは、ダメージが10点になると、怖くて逃げ出してしまいます。

 という簡易戦闘ルールをその場ででっち上げ、戦闘の始まり。
 (この戦闘ルールが意外と盛り上がりました。判定が失敗したときのペナルティが重いから、ハラハラするのかな?)

ほくろん:みんな、今みたいに「どうやってお化けを退治するか?」を教えてね。ただし! 前の人が言ったアイディアはもう使えないから、新しく考えるように!

 ということで、今回の隠れた狙い、「子どもたちはお化けを退治するのにどんな行動をするか?」の意見収集開始です。
 実際の宣言を挙げてみますと……

ビンタする
消火器をつかう
を投げる
お経を唱える
スリッパでたたく
ガスコンロの火をつける
明かりをつける
図鑑で弱点を調べる
悪口を言う
部屋から追い出す
はなくそをつける

 うーん、多彩……
 ざーっと全員が2回行動したところで無事にボスお化けは退治され、これでミッション成功です。




 こうして初回の様子を振り返ってみましたが……

 え? あ、今回って初回だったっけ……
 
 そんな風に思ってしまうぐらい、みんなが積極的に遊びに参加してくれました。

 普段なら判定ルールの説明とか、キャラクターシートへの書き込みをしてからセッション体験でしたが、こうして体験から入ってみるのも面白いもんです。
 (この点は、子どもたちに馴染み深い舞台で遊んだのも良い方に働いたと思います。)

 ただ、彼らがゲームとしてのTRPGを楽しむために、ルールに沿って遊ぶということも大切。
 
 どんなルール、どんなシステムなら、彼らがそのままの勢いで参加してくれるか……
    
 そんなことを考えながら、本日、子どもたちと一緒にキャラクターメイク&セッションをしてきました。
 そう、今日が牛久保小学校#2だったのです!

 どんなゲームを持っていき、どんな様子になったのかは……
 次の機会に!
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コメント

[C122] オバケ!

ちびオバケは、倒さなかったんですね。…そうだなぁ、ザコとはいえ5体も相手にできませんもんね。
本番ではどんなルールになるのか楽しみです。個人的には、理科室には鮒幽霊(解剖された鮒の怨念が集まったもの)とかいてほしいなぁ…なーんて。もちろん、斬る武器に弱いんですよ。包丁とか見せたら、戦意喪失とか。
  • 2011-05-26 11:09
  • ビー坊
  • URL
  • 編集

[C123] はじめまして。

コメントで失礼します、xxxxxxというものです。

子供たちへ教える仕事につき、TRPGを趣味に持っているものです。
長い間、TRPGの考える力こそ、子供たちに知ってもらいたいものだと思っていたのですが、実際に作成していらっしゃる方がいることを知り、嬉しくなりました。
ぜひわたしのページよりリンクさせてください。

また、主におとな向けではありますが、冒険王道を遊んでみた感想をブログで発表していきたいなと思っています。ただいま1回目だけアップしています。

いずれは…生徒たちに冒険王道をさせ、楽しさを味わってもらえるチャンスを作りたいと思っています。
これからよろしくお願いします!

[C124] Re: オバケ!

ビー坊さま

 コメントありがとうございます。

> ちびオバケは、倒さなかったんですね。…そうだなぁ、ザコとはいえ5体も相手にできませんもんね。

 ちびは「罠」代わりと割り切っております。
 子どもたちの慣れ具合では、戦闘の頭数合わせに使っても良いかな?

> 個人的には、理科室には鮒幽霊(解剖された鮒の怨念が集まったもの)とかいてほしいなぁ…なーんて。もちろん、斬る武器に弱いんですよ。包丁とか見せたら、戦意喪失とか。

 学校のお化けっていろいろアイディアが浮かびますねー
 子どもたちの発想に期待です。
  • 2011-06-02 22:51
  • ほくろん
  • URL
  • 編集

[C125] Re: はじめまして。

xxxxxxさま

 初めまして、ほくろんです。
 コメントありがとうございます!

> 子供たちへ教える仕事につき、TRPGを趣味に持っているものです。
> 長い間、TRPGの考える力こそ、子供たちに知ってもらいたいものだと思っていたのですが、実際に作成していらっしゃる方がいることを知り、嬉しくなりました。
> ぜひわたしのページよりリンクさせてください。

 リンク、大歓迎でございます。よろしくお願いします。
 
> また、主におとな向けではありますが、冒険王道を遊んでみた感想をブログで発表していきたいなと思っています。ただいま1回目だけアップしています。

 拝見いたしました。
 こうして取り上げていただけると、僕も嬉しいです。
 「ベッドとカーテンの色」のくだり、子どもたちにもこんな遊びかたをしてもらいたいな……と思いました。
 
> いずれは…生徒たちに冒険王道をさせ、楽しさを味わってもらえるチャンスを作りたいと思っています。

 ぜひお願いします!
 「冒険王道」も、もっと遊びやすくなるようブラッシュアップをしておきます。
  • 2011-06-02 22:51
  • ほくろん
  • URL
  • 編集

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プロフィール

ほくろん

Author:ほくろん
愛知県内にて青少年育成の指導者・アドバイザーをしつつ、TRPGやボードゲームの作成・普及啓発を行っております。

今となっては遠く離れ、それぞれに凝固している教育とあそびを、少しずつ暖めながら融和させていきます。

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登録名は『冒険王道』の著者名です。
(あくまで個人アカウントですので、ご承知置きください)