さて、依頼を受けた冒険者たち。
小屋が見えるところまで移動して、ダンジョンアタック開始です。
GM:さあ小屋が見えた。どうする?
リックス:扉を開ける!
GM:ってことは近付くんだな?
リックス:あ、そうだったー。
バーン:その前に、小屋の裏側を見に行きたい!
ということでバーンがひとりで見に行くことに。彼は裏口を発見し「裏口から入るか、正面から入るか?」の相談が始まりますが、
GM:ちょっと待って、今大声で話してるのか?
「あ! 合流して無いのに相談してたー」と気付いたメンバー。バーンの招きで、全員で裏口のほうに行くことにします。
(演出されていた状況が必然的に持っているはずの制約を、具体的に「想像/想定」できなかったために、テレパシー状態に陥っていたのだと考えられます。まあ僕が遊んでても良くやるミスですが……)
相談の結果、裏口をぐるぐるに縛ってあるツタをリックスが切ることに。判定をしてみますが、うまく切ることができませんでした。(ちなみにここで判定のルールを説明しました。)
裏口は諦めて正面に回り、バーンが鍵開けに成功。ついに小屋に入ります!
小屋に入ると、大きな箱や棚が無造作に積まれていて、バリケードのような状態になっています。さあこれをどうにかしないといけない! というときに、
キール:魔法で吹っ飛ばす!
来たぞ、恒例のパワープレイが……やっぱり子どもたちは「派手なこと」「逸脱したこと」「大げさなこと」をしたがる傾向があります(それで笑いをとりたい! という思いも見え隠れしますね)。しかし「吹っ飛ばす」のはどうかな……と思っていた矢先、
ウォリーズ:でも、村の倉庫のものだから壊したらダメだよ。
えらいっ! これはとても大切な一言です。
倉庫は村の人たちのもので、大切なものだからこそ中にしまっていて、そしてそれを壊したら彼らの迷惑になるかもしれない。
ウォリーズ君が
このような事情を考慮して発言したのか、あるいは
素朴な道徳意識に基づいて発言したのかは分かりませんが、「与えられたフィクションの状況」がもつ制約を体感し「やっていいこと/いけないこと」の判断をしてくれました。それは「想像する=
存在していない・明言されていないことを具体的にとらえる」という行為によるものです。
さらに、この発言を受けてキールもすぐに考えを変えました。自分の考えや気持ちに固執せず、ぐっとこらえてウォリーズの
提案を受け入れてくれたのです。
「状況のもつ制約を想像すること」と
「誰かの迷惑になるのは良くない!」と、
「人の意見を素直に受け入れること」、どれもTRPGを遊ぶ上で、ひいては社会生活を営むうえでとても大切なことだと思います。
このように、何気ないやり取りの中にTRPGが提供できる「良さ」がにじみ出てほしいと願っています。
ところで。
件の箱はリックスとウォリーズが「体力」でどかすことに成功。
見付かった宝箱をブリードが魔法で開けてみたら、「中身が装飾品だった。これはそっとしておこう……」といったイベント(彼も依頼の目的をちゃんと理解してくれているようです)を乗り越え、ついに目的の銅像を見つけます。
その瞬間!
GM:部屋の隅にあった藁からスライムが染み出してくる!
ということで戦闘開始。
戦闘ルールを説明しつつの初めての戦闘でしたが、無事にモンスターを退けた一行は村に銅像を届けに戻ったのでした。
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