fc2ブログ

Entries

動物小学校#2 ダンジョンアタック!

 さて、依頼を受けた冒険者たち。
 小屋が見えるところまで移動して、ダンジョンアタック開始です。

GM:さあ小屋が見えた。どうする?
リックス:扉を開ける!
GM:ってことは近付くんだな?
リックス:あ、そうだったー。
バーン:その前に、小屋の裏側を見に行きたい!


 ということでバーンがひとりで見に行くことに。彼は裏口を発見し「裏口から入るか、正面から入るか?」の相談が始まりますが、

GM:ちょっと待って、今大声で話してるのか?


 「あ! 合流して無いのに相談してたー」と気付いたメンバー。バーンの招きで、全員で裏口のほうに行くことにします。
 (演出されていた状況が必然的に持っているはずの制約を、具体的に「想像/想定」できなかったために、テレパシー状態に陥っていたのだと考えられます。まあ僕が遊んでても良くやるミスですが……)

 相談の結果、裏口をぐるぐるに縛ってあるツタをリックスが切ることに。判定をしてみますが、うまく切ることができませんでした。(ちなみにここで判定のルールを説明しました。)
 裏口は諦めて正面に回り、バーンが鍵開けに成功。ついに小屋に入ります!


 小屋に入ると、大きな箱や棚が無造作に積まれていて、バリケードのような状態になっています。さあこれをどうにかしないといけない! というときに、

キール:魔法で吹っ飛ばす!


来たぞ、恒例のパワープレイが……やっぱり子どもたちは「派手なこと」「逸脱したこと」「大げさなこと」をしたがる傾向があります(それで笑いをとりたい! という思いも見え隠れしますね)。しかし「吹っ飛ばす」のはどうかな……と思っていた矢先、

ウォリーズ:でも、村の倉庫のものだから壊したらダメだよ。


 えらいっ!

 これはとても大切な一言です。

 倉庫は村の人たちのもので、大切なものだからこそ中にしまっていて、そしてそれを壊したら彼らの迷惑になるかもしれない。

 ウォリーズ君がこのような事情を考慮して発言したのか、あるいは素朴な道徳意識に基づいて発言したのかは分かりませんが、「与えられたフィクションの状況」がもつ制約を体感し「やっていいこと/いけないこと」の判断をしてくれました。それは「想像する=存在していない・明言されていないことを具体的にとらえる」という行為によるものです。

 さらに、この発言を受けてキールもすぐに考えを変えました。自分の考えや気持ちに固執せず、ぐっとこらえてウォリーズの提案を受け入れてくれたのです。

 「状況のもつ制約を想像すること」「誰かの迷惑になるのは良くない!」と、「人の意見を素直に受け入れること」、どれもTRPGを遊ぶ上で、ひいては社会生活を営むうえでとても大切なことだと思います。
 このように、何気ないやり取りの中にTRPGが提供できる「良さ」がにじみ出てほしいと願っています。


 ところで。
 件の箱はリックスとウォリーズが「体力」でどかすことに成功。
 見付かった宝箱をブリードが魔法で開けてみたら、「中身が装飾品だった。これはそっとしておこう……」といったイベント(彼も依頼の目的をちゃんと理解してくれているようです)を乗り越え、ついに目的の銅像を見つけます。

 その瞬間!


GM:部屋の隅にあった藁からスライムが染み出してくる!



 ということで戦闘開始。
 戦闘ルールを説明しつつの初めての戦闘でしたが、無事にモンスターを退けた一行は村に銅像を届けに戻ったのでした。
 
 
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://dice4kids.blog57.fc2.com/tb.php/11-26287dc5

トラックバック

Appendix

『冒険王道』ページへ

↓ カテゴリリンク

国府小学校 牛久保小学校 なぜTRPG? 制作の裏側 その他

プロフィール

ほくろん

Author:ほくろん
愛知県内にて青少年育成の指導者・アドバイザーをしつつ、TRPGやボードゲームの作成・普及啓発を行っております。

今となっては遠く離れ、それぞれに凝固している教育とあそびを、少しずつ暖めながら融和させていきます。

管理人がフェイスブックはじめています。
登録名は『冒険王道』の著者名です。
(あくまで個人アカウントですので、ご承知置きください)