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サマースクール2011 2日目後編

 みたび、洞窟の前にやってきた冒険者(見習い)たち。
 ついに内部へと突入! 
 
 ……と思いきや。

デニス:じゃあ俺から入るー!
ゼロ:いや俺が先に入る!

 あ、その話の途中だったね。

ゼロ:だって防御が高いほうが前でしょ?
デニス:俺のほうがHPは高いもん!
GM:どうするのー?
バスター:あの、僕が先に行って罠を調べるのは?
ゼロ:そっか、確かに罠を調べてから行ってもらったほうがいいね。
デニス:じゃあ俺も調べる!
ゼロ:だからお前は感覚が低いだろ!(笑)
デニス:ううーん。じゃあ俺は入り口に残って、外からモンスターが来るのを警戒している!

 とにかく自分の役割がほしいデニス。
 先陣を切ることだけが役割じゃない! というのに気づいたのは立派です。ただずっと入り口を見張られても困っちゃいます。
 「デニスは最後尾を守る役目ね」ということで、隊列は決定しました。

 さて先頭となったバスターが内部の様子を伺ったところ……

GM:こんな感じ。この穴は向こうをのぞけるぐらいのサイズね。
 110829_2.jpg
デニス:その穴から向こうに行く!
GM:行けないって!(笑) どうする?
バスター:向こうを覗く!
GM:じゃあ、向こう側にはモンスターが見える。車輪を持った機械のようなモンスターが1体、緑色で体の大きなモンスターが1体と小さなモンスターが2体いるよ。

 でました緑色。今のところ僕にも正体は不明です。

 ……と、ここで中級のルール紹介第3弾。
 中級では「モンスター知識」というルールが追加されます。モンスターを見たとき、この判定に成功しなければ能力はおろか、名前すらわかりません。

 モンスター知識の判定をしてみると……

GM:ばれたなぁ。機械のようなモンスターははぐれゴーレム。こんなやつです。

  110829_1.jpg
(ちなみに中級での追加モンスター、レベル的に今回のボスです)

エイシー:ふんふん。あとは?
GM:緑色の大きいやつはオーガ。小さいやつはゴブリン杖ゴブリンです。

 オーガ一族って緑色だったのか……
 (公式設定として採用するかどうかは……微妙……)

デニス:よし! 倒そうぜ!
バスター:壁の向こう側だよ? どうやって行くのかわかんないよ。
デニス:たぶんこっちだってー。

 そういって曲がり角の先、未踏のエリアにコマを動かそうとしたデニス。
 間髪いれずに待ったをかけたのは……

ゼロ:待った! 先に罠をチェックしてもらおう。
デニス:そうだった!
バスター:GM、この先を探ってみます。(ころころ)足して、12!
GM:曲がり角に落とし穴があったよ。危なかったねぇ。
デニス:あぶねー!

 落とし穴を避けつつ、曲がり角を曲がったところで……

GM:そこを曲がると、目の前にはモンスターたちが! はい戦闘!




○ 1ターン目
 最初の配置はこんな感じ。

  110829_map_1.jpg

 さっそくデニスとゼロが敵のいるマスに飛び込みますが、攻撃できるのはゼロのみ(第1回の移動関係のルール参照です)。それも有効打になりません。
 エイシーとバスターの攻撃もわずかなダメージにとどまります。

 対する敵の攻撃。

GM:攻撃する相手はダイスで決めよう。デニスが1、ゼロが2、バスターが3、エイシーが4。モンスターは4体いるから4回振るよ。(ころころ)、(ころころ)、(ころころ)、(ころころ)(笑)

 ということで、4人に1回ずつヒット。それも防御判定の出目が悪く、全員が3分の1ほどHPを失ってしまいます。



○ 2ターン目 
 頭数を減らそう! ということでまずゴブリンを撃破。続いて杖ゴブにもかなりのダメージを与えたところで、プレイヤーのターンはおしまい。
 モンスターたちは残り3体、またもばらばらの相手を選んで攻撃してきます。これまた全員ヒットで、デニス・ゼロはHP半分ぐらい、エイシーはすでに瀕死に近い状態に。



○ 3ターン目
 「頭数を減らそう! 作戦」を続けるも、デニス・ゼロが続けて攻撃をミス
 続くバスターも……

バスター:(ころころ)わ~! 両方1!
GM:当たるわけないねぇ(にやにや)
エイシー:(こりゃまずいな……)俺どうしようか? 魔術で杖ゴブ攻撃してもなぁ……
デニス:回復したらどう?
エイシー:うーん、そうか。アイテム使って回復する手もあるか。

 
……ということでルール解説第4弾、「回復アイテム」です。
 中級ではゲーム的な効果をもつアイテムがいろいろと追加されます。そのひとつが回復アイテム。このレベルで買えるものはHPを5点回復します。

 しかしここで攻撃するか5点回復するかは微妙なところ……
(回復量が5点程度では、次の敵の攻撃で帳消しにされてしまう可能性も高いのです。傷ついている杖ゴブを倒すのに賭けて攻撃するというのもアリかな、と……)

 ここはゼロの提案を採用し、回復しておくこととしました。

 ちなみにこの時点で回復アイテムの数は残り2つバスターとゼロがそれぞれ持っていることをお伝えしておきます。



 さて、3ターン目裏はモンスターの攻撃。
 目の前のオーガ&後方のゴーレムの連携攻撃をゼロとデニスが受け、二人とも紙一重で生き延びているような状態に。
 続いて杖ゴブリンの攻撃がバスターを襲い……

バスター:(ころころ)わー! 5点食らったから、残りHPは2!
ゼロ:やばい! 回復回復!
GM:自分のターンでやってねー。

 相変わらず発言がシビアだ……



○ 4ターン目

バスター:もうやばい。僕はアイテム使って回復するね(かきかき)

 態勢を整えるべくHPの回復を優先したバスター。
 それを見てほかの子どもたちも危機感をもったようで……

ゼロ:俺もやばいからなー。回復しよっかな。
デニス:俺もヤバイ!
ゼロ:そうなの? 俺のこりHPは
デニス:俺のこり
ゼロ:そっちのほうがやばいじゃん!(笑) 回復すれば?
デニス:アイテム持ってないよ。
ゼロ:お前なんで買ってないんだよーっ!(笑)

 そう、回復アイテムを持っているのはこの時点でゼロのみ。

バスター:ゼロだけでも回復したら?
ゼロ:もちろん! いや、うーん……

 ゼロはそういいながらキャラクターシートを見比べはじめます。
 見比べているのは、自分とデニス。

ゼロ:うーん。いやいや……
デニス:どうしたの?
ゼロ:決めた。回復アイテムはデニスに使う。
バスター:なんで?
ゼロ:デニスのほうが攻撃力高い。そっちのほうが大事。
デニス:えー……いいの?
ゼロ:今は仕方ない。お前に回復アイテム使う!(かきかき)
デニス:……ありがとう! 代わりに俺が頑張る! 杖ゴブリンを攻撃ーっ!

 この一撃で杖ゴブリンは気絶。
 (ちゃんとダイスの神様は見てくれていたようです)
 続くエイシーもオーガに2ケタのダメージを与えます。

 モンスターのターン、まずオーガがデニスを攻撃し、命中。ダメージは……

デニス:あぶねーっ、回復してなければ死んでた! ほんとありがとう!
ゼロ:いいっていいって。

 続けて……

  110829_map_2.jpg

GM:じゃあはぐれゴーレムの攻撃ね。一歩横に移動して、攻撃するのは……
デニス:俺攻撃して! 俺攻撃して!
GM:なんで?
デニス:ゼロは俺を回復してくれたんだから! ゼロがやられるのはおかしい!
GM:うーん、ここは今までどおりダイス振って決めるよ。1~3がデニス、4~6がゼロ。(ころころ)……あ、
一同:ゼロだーっ!
デニス:えーっ! それはだめーっ!

 これがTRPGのダイスロール。

GM:ゼロに魔術の12!
エイシー:防御のダイスしだいだねぇ。
ゼロ:振るよ。(ころころ)……あーっ!

 現在のHP4に対して、発生したダメージは……6点。

 ゼロのHPは、0です。

一同:(……)
エイシー:これでゼロは気絶だね。
デニス:なんでーっ!
ゼロ:ざんねん……
デニス:ごめん! ごめんごめんごめんごめん! 俺のせいだ!
ゼロ:違う違う。
デニス:いや俺のせい! ごめん! 俺のせいで死なせた!
ゼロ:いや気絶だから!(爆笑)

 


○ 5ターン目
 仲間が自分を優先して回復してくれたこと、そのために倒れてしまったこと。
 デニスにとっては大変なショックだったのです。

デニス:ゼロのかたきはうつ! 絶対俺が倒す!

 責任を感じたデニスが狙うのは、ゼロを気絶させたのはぐれゴーレム……ですが、今目の前にいるのはオーガ。
 デニスの怒りを乗せた一撃が傷ついていたオーガに止めを刺し、エイシーとバスターがはぐれゴーレムの眼前に迫ります。

  110829_map_3.jpg
 
 ついにはぐれゴーレム1体まで追い込まれたモンスター側。しかしこの時点でヤツは無傷
 対してプレイヤー側は3人ともかろうじて立っている状態。ボスどころか、ゴブリン1体すら相手にできるかどうか……というところ。
 この難しいシチュエーションでGMが見せた行動は……

GM:はぐれゴーレムが2マス下に移動して終了。

 敵が撤退して終了、という幕引きを狙っているようです。
 すかさず反応するのは、はぐれゴーレムを因縁の相手としているこの人……

デニス:俺が倒すの!

 しかし、ここで戦っても勝ち目はありません。
 やんわりとゴーレムが逃げる方向に誘導するよう声をかけてみます。

エイシー:逃げるか……まあ、手下はみんな倒されたわけだしね。
バスター:そっか、前もそうだったしね。向こうが負けたようなもんだね!

 「前もそうだった」のは第1回で白いローブの男が撤退したことをさしています。前回はそれで依頼成功だったんだから、これはもう勝ったも同然じゃん! ということ。
 
 この発言が落とし穴でした。

GM: じゃあそこで、ここに敵の援軍が現れる!
一同:援軍ーっ!?
エイシー:(あ、やべっ!)
GM:洞窟の出口から、弓ゴブリンが登場!

 ここで思い出すのはセッション開始前の会話
 そういえば、「負けそうになったら援軍」って……
 
 GM! どっちかっていうと今勝ってるぞ!

 しかし負けるというワードで援軍フラグがたってしまったGMは弓ゴブリンを2移動させて、行動終了。

  110829_map_4.jpg

 これは、まずい……



○ 6ターン目
 冒険者(見習い)たちの前に立ちはだかる弓ゴブリン。
 満身創痍の3人にとってはオーガ以上の強敵に見えます。
 もう足止め役すら倒せる気がしない……という空気が漂うなか、エイシーが弓ゴブリンに決死の攻撃、2点のダメージ。

 続くバスターが弓ゴブリンを攻撃。

バスター:(ころころ)あーっ! 6ゾロだーっ!
一同:すげーっ!
バスター:攻撃力は弓術の17!
GM:……ぴったり倒れたー!(笑)

 全員の予想を裏切ってあっけなく倒れた弓ゴブリン。

 今思えば、「バスター最強伝説」はここから始まったのです……とその話は次回以降に引き継ぐとして、ともかく残りははぐれゴーレムのみ。

 精一杯デニスが近寄りますが、その攻撃は届かず……


 このターンの裏、はぐれゴーレムがマップ外へと出て退場。
 戦闘は終了したのでした。



 倒れたゼロを引きずって村へともどった冒険者(見習い)たちは急いで手当てを施します。

バスター:ゼロはすぐに目を覚ますの?
GM:HPが0だから……ご飯食べて6時間寝たら目を覚まして良いよ。
デニス:食べ物ちょうだい!(笑)

 相変わらず回復ルールにシビアなGMでしたが、ともかく意識を取り戻したゼロ。
 一番に声をかけたのはやっぱり彼です。

デニス:ごめん! ほんとにごめん!
ゼロ:良いけど、今度は回復アイテム買っとけよ!(笑)

 この後、村の人に事の顛末を報告。「一応、モンスターの撃退には成功した」ということで報酬をいただけることに。
 おのおので所持金欄を書き換えるのですが、ひとり興奮さめやらぬのは……

デニス:くそー、ゴーレムに逃げられた。悔しい。
バスター:また今度出てくるかもしれないし。
デニス:あいつだけは絶対に俺が倒す!

 

 こうして因縁の相手がまた1体増えた冒険者(見習い)たち。

 あのモンスターたちはいったいなんだったのか?
 「白いローブの男」は何をたくらんでいるのか?
 
 続きは次回、第3回レポートで!
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ほくろん

Author:ほくろん
愛知県内にて青少年育成の指導者・アドバイザーをしつつ、TRPGやボードゲームの作成・普及啓発を行っております。

今となっては遠く離れ、それぞれに凝固している教育とあそびを、少しずつ暖めながら融和させていきます。

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登録名は『冒険王道』の著者名です。
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