初めてTRPGを遊ぶなら、「楽しい」と思ってもらいたい。
じゃあ何が「楽しい」のか? と言えばそれは色々ありますが、初心者にとってはなにより
「ゲームに参加した!」と思えることでしょう。そのためにもっとも分かりやすいのは
「判定をする=ダイスを振る」ことです。
1 ダイスロールを大盤振る舞いするタイミング ということで、かんたんセッションでは「ダイスを振る」ということを通じてゲームへの参加気分を高めてもらおうと画策していました。そのため、国府#2で小屋の中で像を探すとき、全員に「感覚」の判定を行わせることとしました。
2 ダイスロールを制限するタイミング 対して、「壁の穴から中をのぞく」という行動をするとき。ここではあえて、「誰かひとりが判定できるよ」と指定しました。本来なら「ダイスロールによる参加意識向上」という上記の考え方からは外れるものです。これは、
プレイヤー同士の相談・協調」「という別の参加チャンスを強調するためです。
ここでは、
「誰かひとりしか判定できない」
→「誰がやるのが有利か?」
→「だれが能力値高い? 君、感覚いくつ?」
というプレイヤー間のコミュニケーションをする「きっかけ」として判定を利用しています。かんたんセッションでもこのような交流が生まれた後に、「シーフが判定を行う」という適切な結論が出ました。
「ダイスを振りたい!」「活躍したい!」という子どもたちの熱意は自然と「判定」に向きます。これをそのまま充足してあげる場面と、あえて制限することで「判定への熱意」を「協調への熱意」に振り向ける場面とはそれぞれ別のTRPGの「楽しさ」につながっています。ダイスを振ることはひいては判定、達成感、計算といった
ゲームとしての楽しさに、協調することは
仲間遊びとしての楽しさに。
とはいえ「ダイスを振りたい!」欲求のほうがシンプルなため、慣れないうちは全員がダイスを振りたがるでしょう。それを協調に導くために「仕掛ける」ことがTRPGの指導者としての役割となります。
「協調の楽しさ」も、一度味わえばあとは自然と追求されていくものです。実は子どもたちが「協力することの楽しさ」に慣れていないという意識は教育現場にもあり、たとえばグループエンカウンターやグループ学習などが教育手法として活用されています。スポーツや野外活動への素朴な期待も、「チームプレイ」「役割分担」「協力と交流」などに主眼が置かれていることは、多くあります。
TRPGは、まずもって「楽しい遊び」です。子どもたちは自分から参加したくてたまりません。そのTRPGで「協力する楽しさ」を伝えることができるのは素敵だな……と思っています。
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