さて、ダンジョンといったら「扉」。
ダンジョンに入るとき、部屋を移動するとき……冒険には欠かせないオブジェクトです。
もちろん子ども達のダンジョンにも扉はついているのですが……
1 鍵が……
ほくろん:扉に鍵かかってるんだ?
子ども1:うん!
ほくろん:……難易度は?
子ども1:20!
ほくろん:(……能力値は1~3なんだが……)
ということで、「開錠の難易度が厳しい」。
これ、なんだか良くあるパターンですね。
しかし! 実は続きがあります。
子ども1:……そっか。難易度は、じゃあ、10!
ほくろん:まあシーフなら開けられそうだね。シーフは鍵開けに+2できるからね。
子ども1:それでね、モンスターが……
ほくろん:ちょっと待った。もし鍵が誰も開けられなかったらどうする?
子ども1:っ……!!
ということで、
「鍵が開かなかったらどうする!?」がここでのポイント。
セッションはダイス目次第ですから、難易度が適切でも起こってしまうことはあります。
そのとき「はいセッション終了ですー」ではちょっと味気ない!
「そんなときどうする?」と問うことで、「実際の場面でテンパらないように対策しよう!」
……と、表向きはそう教えつつ、実は「失敗するとセッションが止まる判定」に敏感になるよう、そそのかすのが目的です。
入り口の扉の開錠をはじめとして「失敗するとセッションが詰む」タイプの判定と、「失敗しても不利になるだけ(ダメージなど)」タイプの判定では、セッションでのハンドリングに差が出ます。
ダンジョン作りの段階でそれを嗅ぎ分けられるよう、少し意識を向けてもらっていたのでした。
(……という目的の全てを伝えるのは、さすがに上級生向けです。実際は子どもの習熟を見てどこまで伝えるかな~と考えております) 彼の場合、時間切れとなったためにこのポイントは「宿題」としておきました。
どんな答えを用意してきてくれるのか、楽しみです。
2 扉が……
ほくろん:怪しい屋敷、良いじゃん。入り口は、押す扉なの?
子ども2:自動ドア!
まてまて(笑)
ほくろん:この世界にはまだ機械は無いんじゃないか?
子ども2:これ別荘なの。お金持ちの家だから何でも作れる!
ほくろん:うん……じゃあ近くに発電所と電線があるってことだな?
こども2:っ……!!
ほくろん:……あのさ、「魔法で動く自動ドア」ってことにしたら?
子ども2:なるほどー。
こうしてみると、「ファンタジーな家」っていうイメージに慣れてないのかな……? とも思います。
ここではあえてインフラの話にまで広げ、
ファンタジーの味わいでもある文明レベルを思い知ってもらうこととしました。
いや、実を言うと、彼のシナリオを何回見ても自動ドアである意味がないのですが……
「いや、もしかしたらダンジョン全体のトリックに関わっているのかも……」ということで、全体のビジョンが見えるまでは見守ることとしました。 ということで、扉をめぐって2エピソードを紹介しました。
ゲーム面でも、世界観的にも、ちょっとした設定ミスの裏にはひろーい「ぼんやりしたイメージ」が広がっています。ダンジョンの細部を直しつつ、ちょちょいと背景を指摘してあげれば、きっとその知恵を応用してもっといいダンジョンにしてくれることでしょう!
この後、彼らがどんな修正を加えてセッションに挑むのか……それは彼らがGMデビューするとき、併せてお伝えできればと思います。
次の記事では「モンスター」に着目して、子どもたちのシナリオのポイントを紹介できれば~、と考えています。
では!
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昨年度の状態を知る自分としては、ほくろん氏の手際にただただ驚くばかりです。
4回目にしてここまでRPGの形を整えられてることがすごいと思います。
是非またその辺りのコツなんかを話し合える機会が生まれればありがたいです。