「よーし、どれにしようかな……?」 子どもたちのダンジョンづくり、テーマその2は「モンスター」。
意外につまずく2つのポイントを紹介したいと思います。
1 ザコ戦・ボス戦 『冒険王道』初級では、”
「ザコ2~3体」と「ボス1体」ぐらいがちょうど良いよ~”という指針が与えられています。
たとえば「ゴブリン(前衛)・スケルトン(弓攻撃)・悪魔道師(魔法・ボス)」の3体。
前衛後衛のバランスも取れており、「良い組み合わせだよね。」なんて子どもたちに紹介をしていました。
ところが!
このバランス、「
3体が同時に出現する」ことが前提です。
ここに落とし穴がありました……
子どもたちの多くが、この3体を
ばらばらに配置していたのです。
「扉の前にゴブリン」「宝箱の前にスケルトン」、そして、満を侍して「最奥に悪魔道師」という配置。
苦難を乗り越えた冒険者たちを待ち構えていた悪の魔道師は、かくして
瞬時にファイターに詰め寄られブロードソードで真っ二つに…… これはズバリ、指導のミスでした。
「モンスター3体っていったら同時に出すだろう」というこちら側の(勝手な)イメージで話を進めてしまっていたのです。
ドラクエなどを思い出してみると、むしろダンジョンの中で戦闘が1度だけという作品のほうが少なく、ダンジョンといえば「ザコ戦!」「ザコ戦!」「よしボス戦!」っていうイメージなのかな……とも思えます。
そもそも、「ボス」というネーミングが「
そいつ1体で十分」という安心感を醸しているような……
ということで、「
モンスター側もチームプレイなんだぜ」ということをしっかりと教えてあげなきゃなー、と思った次第です。
2 困るのは誰だ!?
子ども1:ボスは山賊の頭だよ。
ほくろん:そうかー。じゃあ依頼人は誰にする?
子ども1:誰にしよう……
という場面、けっこうありました。
マップ作りは「迷路作り」に近くてとっつきやすいのですが、「依頼人」を決めるのは「お話作り」の領域。なかなか、手ごわいようです。
それで僕たちは次のようにしてみました。
ほくろん:山賊の頭がいると、困るのは誰だと思う?
子ども1:町のみんな困る。よし、依頼人は「町のみんな」だ!
ほくろん:良いねぇ。でも「町のみんな」がいっせいに依頼に来ると大変じゃない?
子ども1:大丈夫だよー!
ほくろん:全部ひとりで演技するんだぜ……?
子ども1:そうかー……じゃあ誰かひとりにしようかな。
ほくろん:その人がみんなの「代表」で話をするってことにしよっか?
ということで、「そういう時に町長さんの出番なんだ!」という話に落ち着く、という寸法です。
中には「旅人が困る!」、「農家の人が困る!」などより具体的に答えてくれる子もいました。
このように、できるだけ具体的に答えられるということは
そのモンスターがどんな悪いことをするのかが具体的に思いつけている、ということなのかな……と思います。
「誰が困るか」を考えてもらうことで、「依頼人の問題」を解決すると同時に「そのモンスターはどんなやつなのか」を見直してもらえると一石二鳥ですね。
……それにしても、ダンジョン作りの様子を報告するだけではなかなか「現場感」が出ないなぁ……
彼らのダンジョンが果たしてうまくいくのかどうかは、来週の「牛久保小学校#5」で明らかになります。
それまでにあとひとつ、書いておきたいこと……「ダンジョン作成シート」のことが残っていました。
ということで、次回はそれをテーマにお送りしたいと思います。
では!
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