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牛久保小学校#4-4 モンスターが

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「よーし、どれにしようかな……?」

 子どもたちのダンジョンづくり、テーマその2は「モンスター」。
 意外につまずく2つのポイントを紹介したいと思います。


1 ザコ戦・ボス戦

 『冒険王道』初級では、”「ザコ2~3体」と「ボス1体」ぐらいがちょうど良いよ~”という指針が与えられています。
 たとえば「ゴブリン(前衛)・スケルトン(弓攻撃)・悪魔道師(魔法・ボス)」の3体。
 前衛後衛のバランスも取れており、「良い組み合わせだよね。」なんて子どもたちに紹介をしていました。
 
 ところが!
 このバランス、「3体が同時に出現する」ことが前提です。

 ここに落とし穴がありました……

 子どもたちの多くが、この3体をばらばらに配置していたのです。
 「扉の前にゴブリン」「宝箱の前にスケルトン」、そして、満を侍して「最奥に悪魔道師」という配置。
 苦難を乗り越えた冒険者たちを待ち構えていた悪の魔道師は、かくして瞬時にファイターに詰め寄られブロードソードで真っ二つに……

 これはズバリ、指導のミスでした。
 「モンスター3体っていったら同時に出すだろう」というこちら側の(勝手な)イメージで話を進めてしまっていたのです。
 ドラクエなどを思い出してみると、むしろダンジョンの中で戦闘が1度だけという作品のほうが少なく、ダンジョンといえば「ザコ戦!」「ザコ戦!」「よしボス戦!」っていうイメージなのかな……とも思えます。
 そもそも、「ボス」というネーミングが「そいつ1体で十分」という安心感を醸しているような……

 ということで、「モンスター側もチームプレイなんだぜ」ということをしっかりと教えてあげなきゃなー、と思った次第です。

2 困るのは誰だ!?

子ども1:ボスは山賊の頭だよ。
ほくろん:そうかー。じゃあ依頼人は誰にする?
子ども1:誰にしよう……


 という場面、けっこうありました。

 マップ作りは「迷路作り」に近くてとっつきやすいのですが、「依頼人」を決めるのは「お話作り」の領域。なかなか、手ごわいようです。
 
 それで僕たちは次のようにしてみました。

ほくろん:山賊の頭がいると、困るのは誰だと思う?
子ども1:町のみんな困る。よし、依頼人は「町のみんな」だ!
ほくろん:良いねぇ。でも「町のみんな」がいっせいに依頼に来ると大変じゃない?
子ども1:大丈夫だよー!
ほくろん:全部ひとりで演技するんだぜ……?
子ども1:そうかー……じゃあ誰かひとりにしようかな。
ほくろん:その人がみんなの「代表」で話をするってことにしよっか?


 ということで、「そういう時に町長さんの出番なんだ!」という話に落ち着く、という寸法です。
 
 中には「旅人が困る!」、「農家の人が困る!」などより具体的に答えてくれる子もいました。
 このように、できるだけ具体的に答えられるということはそのモンスターがどんな悪いことをするのかが具体的に思いつけている、ということなのかな……と思います。
  「誰が困るか」を考えてもらうことで、「依頼人の問題」を解決すると同時に「そのモンスターはどんなやつなのか」を見直してもらえると一石二鳥ですね。
 
 
 ……それにしても、ダンジョン作りの様子を報告するだけではなかなか「現場感」が出ないなぁ……
 彼らのダンジョンが果たしてうまくいくのかどうかは、来週の「牛久保小学校#5」で明らかになります。

 それまでにあとひとつ、書いておきたいこと……「ダンジョン作成シート」のことが残っていました。
 ということで、次回はそれをテーマにお送りしたいと思います。
 では!

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プロフィール

ほくろん

Author:ほくろん
愛知県内にて青少年育成の指導者・アドバイザーをしつつ、TRPGやボードゲームの作成・普及啓発を行っております。

今となっては遠く離れ、それぞれに凝固している教育とあそびを、少しずつ暖めながら融和させていきます。

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登録名は『冒険王道』の著者名です。
(あくまで個人アカウントですので、ご承知置きください)