またちょっと開いてしまいましたが、サマースクール#3後半をお届けします。
前半に引き続き、報告してくださるのは紙魚先生。
ディアノーグ(小学6年生)のGMっぷりをごらんください!
魔法で敵の気をそらした冒険者たち、ついに小屋に突入!
テーブルの下に隠れていたスネーク2匹と戦闘です。
シャープが噛まれてHPの半分近くをあっさり削られますが、しょせん相手はヘビ2匹。2対4なので、その後の展開は無難です。
いまのうちにレインちゃんに戦闘の説明をします。まだあいまいに首を振るだけですが、戦闘マップシートを一生懸命見ていました。
スネークを倒して部屋の様子を観察しますが、
GM:何も見えません。
ロキ:何も?
GM:うん、変なものは何も見えません(にやにや)
シャアル:物音とかもしないの?
ここで感覚の判定を行なうことになり、
GM:あ、うーんと(シナリオを見る)タンスの後ろから物音がする。
……?
どうもGMの様子がおかしい。
このGM、なんとしても”
敵が隠れていて不意打ちする”がしたいようです。
……不意打ちされてあげようか、とも思いましたが、実は
他の子どもたちにも見え見え。こうなると、わざとだまされるのもどうかなあ。
そこで、「こういう方法もあるんだよ」というのを見せようかな、と考えました。
子どもたちの意見を活かすのがいちばんの基本ですが、こちらが例示するのもありでしょう。
シャープ:このタンス、みんなで力を合わせたら倒せる? 体力で判定かな?
さあ、GM、どう出る?
GM:……じゃあ、わざで判定。全員で合わせて20が出たら倒せます
達成値を合計するというアイディア!
もちろん、協力して判定なんていうルールはありません。完全なGMのアドリブ。これが小学校5年生の、初めてのマスタリングです。
<わざ>で判定も、20という数字も、とっさに出したとは思えない、良い判断です。
卓ではシャアルとロキが勢いこんでダイスを振っています。すごい、すごくイイ流れ。話を振ったこちらが嬉しくなってしまいました。
ウィザードのレインを除いた3人で押すとタンスは倒れます。
シャアル:ダメージ入った?
GM:大きいので支えてます。
ロキ:え、そんなに大きいやつなの?
GM:タンスの後ろからオーガが出てきました。呼ぶとこっちの方からオオカミが出てきます。
……たんすの後ろに隠れているオーガ。状況を想像すると笑えますがとにかくボス戦です。
シャープ:一体ずつ倒した方がいいよね。どっちにする?
そう問い掛けてみると、シャアルがしばらく考えてから、
シャアル:オーガだと一ターンで倒せないかもしれないからウルフからにしよう。
そうだね!すごくいい判断だよ!
しかしイニシアチブの判定で4回もタイになった挙句、敵に先攻を取られてしまいます。
GMはPCに番号を振ってオープンダイスで攻撃を決めています(これもすごい!)。ロキが防御で1ゾロを振って大ダメージを受けました。
さて、プレイヤーの行動。ウルフは簡単に倒せましたが、オーガに攻撃が通りません。
オーガは剣術への防御が高いんですね。
そこでどうしてもウィザード頼りになります。
シャアル:レインちゃん、雷でばりばりっとやっちゃって
ロキ:お願いしまーす
ターンが廻るたびに男子二人が声を揃えて「お願いしまーす」と頭を下げます(楽しんでやってました)。
レインも”2D振って足す”だけで攻撃になることが分かったようで、ダイスを振る様子に自信が見えてきました。
また、ここでGMも、いい表現を見せます。攻撃に対して「
かすった」「
棍棒ではじいた」「
だいぶやられた」など、ダメージを言葉で表しています。「
いまのはすごく効いた。もうふらふらになっとる」と聞いたときのレインの嬉しそうなこと。
ようやくオーガを倒して戦闘終了。
もう敵がいないことを確認してから、宝箱やタンスをを探ります。
一方の宝箱にはトゲが植えてありましたがシャアルがダガーを使って開けると「中には200G入っていました」とのこと。「じゃあ一人50Gだね」とロキ。計算速い。
それを見ていたシャアル、彼はシーフですし「喜んで山分けにしよう」というロールプレイをするのかな……とも思いつつ、ちょっと待って、と言おうかと迷っていると。
シャアル:でも、村の人から奪われたものもあるんじゃない? 返した方がいいよ。
シャアル……本当に良心的な……! 内心で拍手しつつ
シャープ:「そうだな。村の人に返す分返してから山分けにしよう」
と応えると、ロキもレインもうなずいてくれました。また、倒れたタンスからは何か木彫りの彫刻が発見され、これはロキが持ちます。
村に帰ると村長さんはどちらも「差し上げます」と言ってくれました。GM、最初から報酬として用意していたのでしょう。彼に「これで終わりです」を宣言してもらい、拍手で終了。
ところで、終了後レインに聞いてみました。
シャープ:どうだった?
レイン:面白かった~!
うんうん、聞かなくても表情で分かるけど、そうやって、声に出して言ってくれるようになって、本当に嬉しいよ。
残り時間はダンジョン作成の時間にしたのですが、夢中になってダンジョンシートを書いているレインを見て、もっと嬉しくなりました。
プレイヤーとして非常に特徴のあったディアノーグでしたが、GMとしてもがんばってくれたみたいです。
そんなところでサマースクールの報告はおしまい。
次回からは、そろそろ始まっています2学期のクラブ活動の報告をしつつ、『冒険王道』についての紹介ももっと増やしていきたいなーと考えています。
では!
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